Googleはマップから5500万件のレビューと300万件ビジネスプロファイルを削除。スパムへの取り組みを解説

Googleマップ上の情報は最新で正しいものでなくてはならない。
Googleは5500万件のポリシー違反レビューと300万件近くの偽ビジネスプロファイルをマップ上から削除した。
さらに公式ブログ上で、どのようにマップのスパム対策を行っているかを解説している。

Googleマップスパムへの取り組み

マップ上の情報の鮮度と正確性を担保するためには、日常の人々がそれを更新や追加できる仕組みが不可欠とGoogleは考えている。
もちろんそこにスパム投稿が混じることも承知している。
正しい情報の中に偽りのものが入ると、途端に全てが信頼できないものになってしまう。
そういった不適切なコンテンツに対してGoogleは対策をしつつ、Googleマップの信頼性を維持しようと取り組んでいる。
では、不適切なコンテンツをGoogleはどのように選び出しているのか。

不適切コンテンツの選び出し方について

ビジネスを攻撃することを目的とした偽のレビューや、場所の評判を高めるための不正評価などといった不適切なコンテンツの投稿は日常的に行われているのが現状だ。
このような役に立たないコンテンツとの戦いについて、Googleは『絶え間ない』と語っている。

Googleはそういった不適切なコンテンツを探し出す為に最初に行うことは、日常の人々がどのようにGoogleマップを利用するのか理解することから始まる。
私たちは、通勤や遠出のナビゲート中に、『近くのレストラン』などの検索にマップを利用する。
そして実際に行ったことのある場所についてレビューしたり写真を投稿する。

このような人々の行動（観測結果）を、AIに提供し学習させアルゴリズム化させる。

アルゴリズムに照らし合わせ、異常なユーザーアクティビティのシグナルが発見されれば削除となる。

例えば、
東京にいるユーザーアカウントが、九州地方にあるレストランの低評価レビューや、東北の温泉旅館の高評価レビューを突然残すと異常なユーザーアクティビティとして検出される。

バンコクなどの新しいGoogleマップアカウントが、メキシコシティの自動車販売店の悪いレビューやシカゴの1つ星レストランの評価を突然残したかどうかを検出できます。

異常が発見されると自動的に削除されるか、そのユーザーアカウントとともにさらに確認される為のフラグが付けられる。

この場合は距離的な問題を取り上げている。

距離的な問題がないような検出の難しいものについてもオペレーターとアナリストによって削除される場合もある。

レビュー投稿に金銭が発生するのをGoogleでは明確にポリシー違反としている。レビュー投稿でプレゼントもしかりだ。
報酬により投稿されたレビューや、業者が販売するレビューはユーザーを騙すためのもの以外のなにものでもない。

クリックファームについても言及

スパム評価や大量のクリックを発生させる『クリックファーム』へも重点的に取り組んでいることをGoogleは明かしている。

クリックファーム業者はビジネス側から金銭を受け取り、アカウントユーザーにクリックや評価をさせて報酬を支払う。
また、大量のSIMカードを入手してこれを行うことをクリックファームという。
MEO業者だと名乗りながら、実のところはクリックファーム業者だったというのは今や珍しい話ではない。

2020年の取り組み結果

Googleは、コンテンツの削除やアカウント停止から訴訟まで、スパマーに対して迅速な行動ができることも宣言している。
マップ上のスパムへの取り組み結果を公式ブログ上でシェアした。

・5500万件のレビューと300万件近くの偽のビジネスプロファイルをブロックまたは削除
・マップユーザーから報告された96万件以上のレビューと30万件以上のビジネスプロファイルを削除
・1億6000万枚の写真と350本の動画の削除
・61万を超えるユーザーアカウントを無効化
・自分に関係のないビジネスプロフィールを確認する300万回以上の試みを阻止

最後に・・・

「ユーザーから提供されたコンテンツは、Googleマップをすべての人にとってより便利で正確なものにし続けるために必要」としつつ、
「情報の信頼性を確保するためのポリシー、テクノロジー、リソースに引き続き投資していく」

上記はGoogle公式ブログで述べたものだ。
今までの正しいMEO啓蒙ではなかなかなくならないスパムに対する注意喚起や警告の意味が今回のGoogle公式ブログにはあるのかもしれない。
我々としても、便利なものがスパマーによって汚されていくのを見たくはない。