GoogleのProduct Reviews Updateが与える影響と対策

製品の詳細な調査をレビューした記事を高く評価するProduct Reviews Update（プロダクトレビューアップデート）が、太平洋時間2021年4月8日、英語圏で公開された。
逆に言うと単に製品の要約をしただけの記事は狙い撃ちでランキングを落とす可能性があるということになる。

Product Reviews Updateとは

Google 検索セントラルブログの2021年4月8日の記事で同日Product Reviews Updateを公開したことを発表した。

製品やサービスなどをレビューするブログ記事は多い。SNSの投稿を見るとほとんどがレビュー投稿だったりする。
気になってる製品の購入意思決定に検索が利用されることは今や日常的だ。
そういった（製品に対する）レビュー記事に特化したアルゴリズムがProduct Reviews Updateだ。

対象を限定した更新のためか、Product Revies Updateは、コアに組み込まれたアルゴリズムではなく、単独で動作するものであると公式ではアナウンスしている。
ただし、将来的にコアアルゴリズムに組み込まれる可能性があるとGoogleのJohn Mueller（ジョン・ミューラー）氏は予想している。

この記事を書いている時点では、日本語を含む英語圏以外では適用されていないが、それも時間の問題だろう。

Product Reviews Updateの適用範囲

Product Reviews Updateは、製品レビュー領域でのコンテンツに絞ったアルゴリズムだ。
単に製品を要約しただけの薄いコンテンツではなく、詳細な調査を共有する製品レビューを高く評価することが目的のアルゴリズム更新であるとGoogleは説明する。

we know people appreciate product reviews that share in-depth research, rather than thin content that simply summarizes a bunch of products. That’s why we’re sharing an improvement to our ranking systems, which we call the product reviews update, that’s designed to better reward such content.

MOZCASTは4月8日に大きな順位変動を観測している。

このアルゴリズムはページ単位の評価ではなく、サイト全体を考慮するものらしい。
アフィリエイトサイトのようなレビュー専門サイトは良くも悪くも直撃で影響を受ける。
また、アフィリエイトでなくても、販売店サイトやECサイトなど製品を紹介するページを有するサイトも対象となる。

ただし、ECサイトのようなユーザーが書き込んだ製品レビューは対象にならないとオフィスアワーでGoogleのJohn Mueller（ジョン・ミューラー）氏はコメントしている。

つまり、サイトオーナーが独自で作り上げた評価やレビュー記事がアルゴリズムの対象となる。

製品レビュー特化サイトの対策

Product Reviews Updateは、YMYLのようなコアに組み込まれた品質評価ではカバーしきれない、製品レビューに的を絞った品質評価ということになる。

[clink url="https://www.tmseek.jp/e-a-t"]

製品のレビューに特化したサイトは、あらためて過去の記事を見直してみることをお勧めする。
メーカーから提供された製品のスペックや概要を掲載しただけのコンテンツはトラフィックを落とすだろう。
洞察による分析に満ちた高品質なコンテンツはProduct Reviews Updateで恩恵を受けるはずだ。

英語圏からスタートしたこのアルゴリズムは、日本語コンテンツを作る我々にわずかな時間的猶予を与えてくれた。
メーカーから提供されたものを超えた独自のコンテンツでサイト全体のパフォーマンスを高めるチャンスでもある。

・その製品が競合と一線を画している理由
・どのような状況や用途でその製品を利用するか？またその場合の最適な理由
・製品の旧モデルからどのように進化してきたのか？
・特定の調査に基づいてその製品の利点と欠点は？
・カスタマーサポート状況やユーザーの声を取り入れて購入支援を行ってきたか？

Googleは、『メーカーの言うことを超えてユーザーへの影響を説明してください』と綴っている。

アルゴリズムの中身についての詳細は公開されていないが、メーカーから提供された画像のみで独自画像がまったくない場合も影響するかもしれない。
実際に商品を使ったこともないのに（あるいは提供されたサンプル品をつかっただけで）レビュー記事をアップしているサイトをGoogleが標的にしないはずがない（と思いたい）。ユーザーに本当の価値を与えられるはずがないからだ。

詳細な調査を共有する製品レビューを人々が高く評価していることを私たち（Google）は知っています

Product Reviews Updateの更新は自動ではなく定期的に行われるものだということに注意したい。
つまり、更新後に記事を修正しても、その効果が表れるのは次の更新後ということになる。

Googleディスカバーにも影響

Twitter上でDanny Sullivan氏が、Product Reviews UpdateはGoogleディスカバーにも影響するのかの質問に「Yes」と回答した。
商品検索したユーザーからしてみたら詳細な調査に基づくレビューを見たいと思うのは当然だろう。
コアアップデートがディスカバーに影響するのは周知の事実だが、Product Reviews Updateもしかり。

Yes.

— Danny Sullivan (@dannysullivan) April 12, 2021

最後に・・・

製品レビューコンテンツに特化したProduct Reviews Updateが2021年4月8日、英語圏から公開された。
ユーザーレビューは評価対象ではなく、あくまでもレビュー記事そのものを評価する。
「製品レビューをするなら、メーカーを超えた洞察と調査でコンテンツをつくれ」ということですね。
ここでひとつ疑問なのだが、サービスやお店に対するレビューはこれに含まれるのだろうか？