デジタルマルチテスターTESMEN TM-510を使ったレビュー

TESMEN TM-510のレビュー

 TESMENブランドのTM-510というマルチメーターを2台提供していただいたのでレビューをしていく。
 結論から言ってしまえば、電気工事やプロの現場では不十分さを感じるかもしれないが、DIYや、電圧のチェックなどの用途では十分な機能が備わっており、しかも使い方も簡単というありがたさだ。AC-DCの切り替えもなければ、なんとロータリースイッチもない。操作するキーは3つのボタンだけというシンプルさ。ほとんどの機能をテスターがオートで行ってくれる、いわゆる『できる子』だ。
 初心者が使う分には、なんの不満も出てこないのではないだろうか。そして、値段も安い。

TESMEN TM-510スペック

 TESMENはインテリジェントデジタルマルチメーターのブランド。
 YouTubeチャンネル『TeamSEEKなかむら』を見たということで、商品レビューの依頼をしていただいた。
 送られてきたTESMENの商品構成は、

TESMEN TM-510 商品構成

  • スマートマルチメーター本体
  • テストリード
  • 単四アルカリ電池2本(DURACELL)
  • ソフトケース
  • ユーザーマニュアル(英語・日本語)

 テストリードはCatⅡで、先端のキャップはついてないが、一般的なものだ。コードは柔らかく扱いやすい。
 ユーザーマニュアルは、英語と日本語に対応しており、海外製品のそれにありがちな不自然な日本語になっていなく、わかりやすい。

デジタルマルチメーターTM-510

TESMEN TM-510 サイズ

 サイズは約12.5×6×3cmと非常にコンパクトで、ズボンのポケットにもすっぽり入る。
 100Vコンセントとサイズを比較してみたら若干TM-510の方が小さいのがわかる。
 重さも電池をセットした状態で本体のみ約115gと軽い。
 こういった測定機器で、サイズが小さいというのは、重要なスペックだと個人的に考えている。

100Vコンセントとのサイズ比較

TESMEN TM-510の仕様

 TESMEN TM-510は、4000カウントのスマートデジタルマルチメーターだ。そのスペックを箇条書きでまとめてみた。

TESMEN TM510の仕様

  • 作業環境 0 ~ 40℃
  • 保管環境 -10 ~ 60℃
  • 測定可能電圧 0.8V ~ 600V
  • サンプリング 約3回/秒
  • 表示 4000カウント
  • オーバーレンジ表示 "OL"表示
  • 精度 交流電圧±(1.2%+5) 直流電圧±(1.0%+5) 抵抗値±(1.2%+5) 導通<約50Ω
  • 測定機能:交流(AC)電圧、直流(DC)電圧、抵抗、導通の測定、NCV(非接触電圧検出機能)
    ※電流は測定できません
  • データーホールド機能
  • 液晶バックライト付き
  • LEDライト付き
  • 自動電源オフ機能
  • 保証3年

 電流の測定機能はついていないので注意したい。
 なかむらの場合は、電流を測定しなければならない場面に出くわすことがなさそうなので、これだけの機能が備わっていれば日常で使用するツールとして十分ともいえる。実際、これまでも電流の測定しなければならない場面には出くわさなかった。

 電流測定機能を省くことで、価格が抑えられるなら個人的にはそちらの方がありがたい。

TESMEN TM-510の使用方法

 使用前の準備として、TM510本体に単四電池2本をセットする。シリコンカバーを外すと、電池ボックスの蓋がネジで止まっているのが見える。それを外して電池ボックスに電池をセットする。再びシリコンカバーをセットして、テストリードの保護カバーを外し、プラス、マイナスを本体に接続する。もちろんプラスは赤、マイナスは黒と色分けされているので間違うことはないだろう。

TM-510に単四電池を入れる

DC(直流)の電圧を計る

 車中泊で使う電力はソーラーパネルからと走行充電器からの2系統をそれぞれで使っている。ソーラー系統はDC-ACインバーターを通して交流に変換している。つまりインバーターよりソーラー側はDC電流が流れている。
 それでも、TM-510では、DCだろうがACだろうが、その種類は関係なく測定できる。切り替えて使う必要がないのはありがたい。 

DC電圧を計る

 電圧を計りながらHと印字されたホールドボタン(一番左のボタン)を押すと、テストリードを離しても電圧がそのまま表示された状態でホールドしてくれる。
 液晶画面を確認しにくい場所での測定などで便利な機能だ。

電圧表示ホールド機能

AC(交流)の電圧を計る

 AC(交流)と言えば真っ先に思い浮かぶのが家庭用コンセントだろう。なかむらのサンバーは、DCをACに変換するインバーターを設置しているのでそちらの電圧を計ってみた。
 余談だが、電気の節約のために普段は50Hzで使用している。
 インバーターは定格2000W、最大4000Wで、車内で使うような通常の電化製品なら大抵使える。

AC電圧を計る

NCV(非接触電圧検出機能)

 NCVは非接触電圧検出機能のことだ。電圧の数値が計れるわけではなく、電気が流れているかどうかを判断するためのもの。
 表示は、---Lから近づくにしたがって「ピピピ」という音とともに---Hと切り替わる。
 電気が流れている電線をニッパーで切断してショートさせてしまうという事故が防げる。
 家の配線など、ブレーカーを落として作業するのだが、それを忘れてニッパーで電線を切断しショートさせてしまうという事故は起こる。実はなかむらもその経験者なのだ。

NCV(非接触電圧検出機能)を試す

導通テスト

 導通テストは、いつもDIYで使っている延長コードで行ってみた。正常に使えるコードなので導通テストも問題なく通過した。

延長コードで導通テスト

抵抗を計る

 抵抗は私、なかむらの身体を使って計ってみた。徐々に抵抗が上がっていく。これはどういった現象なのだろうか。
 まぁ、このあたりはシャレなのだが。

抵抗を計る

オプション機能を使う

 便利なオプション機能も備わっており、右側のボタンを押すと液晶のバックライトが点灯し、長押しすると本体裏側のLEDライトが点灯する。
 暗い場所などでの作業にありがたい機能だ。

便利なLEDライト機能

最後に・・・

 TESMENのスマートデジタルマルチメーター(TM-150)を使ったレビューだが、価格の安さのわりにしっかりと設計された、初心者に最適化されたものだった。
 まず、よほどではない限り使い方に迷うことはないだろう。
 今回、2台のマルチメーターを提供していただいたが、弟に一台譲ろうと思っている。
 ちょっとしたDIYや、電気のトラブル判定などで十分活躍してくれる優れた製品。
 正直なかむらは、これ以上のものは必要ないと考えている。

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