車中泊ワーケーションというライフスタイルとメリット・デメリット
キャンピングカーで旅をしながら仕事をこなす車中泊ワーケーションの魅力は、場所や時間にとらわれない働き方ができる自由度の高さにある。
ワーケーションは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を掛け合わせた造語。
そこに車中泊を組み合わせることによって、交通や宿泊施設などのインフラに左右されない移動が可能となり、さらに自由度が高まるというわけだ。
仕事にフルコミットする時代が終わりを告つつある中、自分自身のライフスタイルを追求しながら、仕事とプライベートのバランスを取ることができるワーケーションが人気を博している。
車中泊とワーケーションは相性が良い
好きな時に好きな場所に行って余暇を楽しむ手段として、車中泊への人気が高まってきている。ワーケーションもしかりだ。
車中泊で旅をする人たちの中には、なんらかの仕事を抱えながら移動することがある。それは仕事の連絡だったり、メールチェック、ブログ記事の投稿、動画撮影。なかむらの場合、クライアントとの打合せやホームページの素材撮影の移動でも車中泊を活用している。
車中泊愛好家にとって、ワーケーションはなにも新しいものでもないような気がする。
車で旅をする車中泊と、仕事と休暇を掛け合わせたワーケーションは相性が良い。
また、車中泊の醍醐味は、その自由度の高さだ。行先も宿泊場所も行き当たりばったりで決めることができる。ちょっと疲れたら、ホテルや旅館に宿泊することだって自由に決められる。なにも車の中で寝ることにこだわる必要もないのだ。
『車中泊をする』という縛りから解放され、『なんなら車中泊だってできる』という気軽な気持ちになれると、車中泊に対する敷居がぐんと下がるのではないだろうか。
車中泊ワーケーションを可能にするキャンピングカー
キャンピングカーは、移動する拠点であるため、車内は仕事をするための必要な設備がそろっている場合が多い。
車両自体の大きさや居住としての装備の充実度などは様々あるが、仕事をするために必要な装備はそう多くはない。標準装備としてはテーブルがあれば事足りる。
車両としては、バスコン、キャブコン、バンコン、軽キャンなどあり、それぞれ大きさが異なってくる。
バスコン | マイクロバスや観光バスの内装をキャンピングカー使用に改装したキャンピングカー |
キャブコン | トラックベースに荷台部分を居住空間に改装したキャンピングカー |
バンコン | ハイエースやキャラバンの荷室部を改装したキャンピングカー |
軽キャン | 軽自動車(軽バン、軽トラ)を改装したキャンピングカー |
キャンピングトレーラー | 居住空間のみ独立した車両を自家用車でけん引する(牽引免許が必要な車両がある) |
ワーケーションのために利用するキャンピングカーとしては、テーブルの大きさにこだわる人は多い。
なかむらは軽箱バンをDIYした軽キャンだが、テーブルの広さを中心にすべての配置を決めていった。
自治体の観光誘致とワーケーションの広がり
テレワークが普及してきた現在、政府が新しいバケーションのスタイルとしてワーケーションを推し進めており、自治体が観光誘致目的で旗振りをしている。
パソコンさえあれば仕事のほとんどが完結してしまうデジタルノマドワーカーにとって、ワーケーション環境の整備はこの上なくありがたい。
滞在型観光誘致による経済効果を狙い、地域資源を活用したワーケーション環境が全国に広がりつつある。
以下はそのほんの一例だ。
長野県諏訪市の諏ワーケーション
長野県諏訪市では、『諏ワーケーション』と題し、ワーケーション利用の観光誘致を進めている。同市の佛法紹隆寺では、瞑想し、そのまま仕事に向かうことができる。このお寺ではすべての施設でWi-Fiが利用でき、ワーケーションスペースの貸し出しを行っている。
また、諏訪市ワーケーションプログラムの一環として、ワカサギ釣りやそば打ち体験などもできる。
2019年5月にオープンしたばかりの駅前の多目的交流ステーション「すわっチャオ」という施設もあり、そこではテレワークでの利用も可能だ。
長野県飯島町のアグリマルチワーク
長野県の飯島町は、アグリマルチワークとして、農村での暮らしとテレワークを結ぶ新しい生活スタイルを提案しており、移住ではない農村生活を年間を通して体験できる。
ワーケーション施設としてはトレーラーハウスの貸し出しを行っている。
車中泊ワーケーション
車中泊ワーケーションでは、車はタイヤのついたオフィスであり、移動する拠点である。
地域の観光を楽しみ、名産を食べ、車内でパソコンを開いて仕事をする。電源とWi-Fiがあれば良い。
自由に移動ができるので、駐車できる気に入った場所が見つかれば、そこが拠点となる。
定住する拠点を持たず、バンライフをしながら、ブロガーとしての活動やWEBライターとして全国を旅しているデジタルノマドワーカーもいる。これは極端な例かも知れないが、とおるんよしみんご夫婦も車中泊ワーケーションで日本一周をしているノマドワーカーでありバンライファーだ。
「行先はふたりで行きたいところ」とよしみんさんは当たり前のように笑った。
車中泊ワーケーションスポット
車中泊ワーケーションの場合、オフィスごと移動しているため、安全に駐車できる場所があればそこがワークスポットとなる。
高速道路のSA、道の駅、オートキャンプ場、くるま旅RVパーク、Carstayなどの車中泊スポットのシェアサービスなどが挙げられる。
車中泊ワーケーションの場合、WEB会議をしてても声が外に漏れにくいので、周りに迷惑をかけることなく参加できる。また、仕事である以上、外部に漏らしたくない会話もあるだろう。
ただし、道の駅など無料施設の場合は、長時間の駐車をお断りしているところもあるので確認が必要だ。
なかむらのお勧めは、Carstayなどでシェアされている車中泊シェアハウス施設だ。シェアハウスの中で過ごし、寝る時だけ車内に戻る新しい車中泊スタイルで気に入っている。
能登半島の穴水にある田舎バックパッカーハウスや、広島県竹原市のスペースアンソロジーなどがそれだ。
車中泊シェアハウスの場合、寝る時だけ車内で、普段の生活はシェアハウスを利用する。仕事ももちろんシェアハウスでできるため、思った以上に捗る。そしてなにより車内に籠って仕事をするのと比べて身体が疲れない。
夕方は近くの温泉に入って、夜はそこにいる仲間たちとビールを飲みながら食事をとる。
車中泊ワーケーションに必要なもの
車中泊ワーケーションで必要なものは、パソコンと電源とWi-Fiだ。
どんな施設であっても(それがたとえ有料施設だとしても)、車中泊スポットではアイドリングストップは最低限のマナーであり常識だ。そのため、車のメインバッテリーを電源として使用することはできない。
ポータブル電源(サブバッテリー)
キャンピングカーであれば、ソーラーパネルや走行充電器に、サブバッテリーとインバーターが装備され、100V電源が使える場合が多い。
車中泊車両をDIYする場合、真っ先に考えたいのが電源の確保ではないだろうか。
なかむらは、車にソーラーパネルを乗せたいという目的から車中泊にのめり込んでいった。まるで目的と手段が逆になっているのは自覚している。
そういった装備がない場合は、ポータブル電源を用意する必要がある。
季節によっては寒さ対策、暑さ対策も必要になってくるだろう。ポータルクーラーや電気毛布など、普段の生活ではあまり意識することがなかった電気の大切さを感じるかも知れない。
ありがたいことにポータブル電源も、一昔前に比べると、性能が良くなり値段も安くなってきている。
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Wi-Fi環境
テレワークの場合、特にWi-Fi環境の確保は重要だ。
道の駅のWi-Fiは、駐車場まで届いていることはほとんどない。駅施設内で利用することを想定しているのだ。そのため、駐車場までWi-Fiを飛ばそうとする奇特な道の駅はなく、たいていの場合は飛ばそうとはしていないのだが、結果的に飛んでいたという程度。電波状況は、全くつながらないか、悪いと思っておいた方が良い。
また、1回あたりの接続時間が60分などの制限がかかる場合がある(道の駅SPOT)。
したがってモバイルでのWi-Fi環境は必須だ。
現在、なかむらはスマホのテザリングを使っている。(以前使っていたモバイルWi-Fiルーターは、いつもパケ詰まりを起こし、解約しようと思いながらぐずぐずしていたらその会社自体が倒産してしまった)
キャリアによってはWi-Fiが使えない場所があるため、目的地のWi-Fi状況を事前に調べておくことも必要だ。
これは余談になるかも知れないが、FTPなどの接続ポートがキャリアによって閉じられている場合がある。なかむらは、その時の仕事で必要だったFTP接続ができず、慌てて近くのネットカフェに駆け込んだ経験がある。たまたま近くにネットカフェがあったことに感謝した。
ワーケーションの可能性とメリット・デメリット
旅行しながら仕事をするワーケーションだからこその魅力として、地元の人たちとのコミュニケーションの中から新たなビジネスを創出することも可能となる。
逆に、ワーケーションを成立させられる人口も少ない。
せっかく遠くまで来たのだから観光も十分楽しみたいと考える気持ちは十分理解できるし、そうするべきだと思っている。そこに仕事を持ち込むとなるとやはりメリット・デメリットが出てくる。
可能性とメリット
行きたい土地、好きな場所で仕事をする。パソコンで完結する仕事であれば相性が良い。
気分を変えて仕事ができるメリットは想像以上に大きい。
旅行に行く場合、休暇の前後に仕事があると1泊2日などの短期旅行になる。ところが、テレワークが可能であれば遠方への旅行も行きやすくなり長期滞在もできる。
長期滞在できるのであればバケーションも楽しみつつ、仕事に費やす時間も確保しやすい。
また、地元の方たちとの交流会などに参加することで、ビジネスチャンスに繋げていこうとする目的も兼ねられる。
ワークバケーションバランスとデメリット
そもそも車中泊ワーケーションが成立する職種は限られてくるため、それを成立させられる人口はまだ少ない。製造業やサービス業など、職場に出勤することが必須な職種となると、そもそもワーケーションができないのだ。
また、企業においてはワーケーション適用部署や従業員が限定的で不公平感が生じる、セキュリティ対策、人事労務管理、マネジメント等の課題があり、それが可能だとしても会社の理解が必要だ。
個人レベルでは、バケーションとのワークバランスが重要で、しっかりとスケジュール管理ができる人に向いているが、逆にスケジュール管理が出来なければ成立させづらい。この場合のスケジュール管理とは、きっちりと予定を立てるということだけではなく、余裕をもった行動をするという意味を多く含む。
車中泊ワーケーションで出かけたは良いものの、休暇を楽しんだのか、仕事をしに行ったのかわからなくなるといった事態に陥りがちだということだ。
白状してしまうと、なかむらもこの問題に陥りがちなのだ。
1泊2日などの短期の場合、移動時間も考えると車中泊ワーケーションを充実させずらいかも知れないという問題がある。
その場合は、可能であればバケーションかワークかのどちらかに振り切った方が良い。仮にワークに振り切るのであれば、そもそも出かける必要がないかもしれないということになる。
ワーケーションでの交通費や宿泊費は経費?
交通費や宿泊を経費で落とせるのか?
ワーケーションは、仕事という面からみて、そこに行かなければいけない明確な理由が見当たらない場合が多い。
国税当局からの明確な線引きの通達も出ていないらしい。
バケーションの割合と仕事の割合で経費を落とす場合、タイムスケジュールなどでエビデンスを取ることを一例として勧めている。(会計事務所チャンネルのピロ社長)
最後に・・・
普段と違った環境で、新しいものに触れながら、時間と場所にとらわれない働き方ができる車中泊ワーケーションには間違いなく魅力がある。その醍醐味は自由度の高さ。
車中泊ワーケーションは、できれば余裕をもったスケジュールで行って欲しい。休暇のを楽しんだのか仕事をしに来たのかわからなくなり、どちらも中途半端になることは避けたいからだ。
長期スケジュールの中で、ぜひとも挟み込んで欲しい車中泊ワーケーションのおすすめ施設は、車中泊シェアハウス。テレワーク可能な施設を利用することで、旅の疲れも癒すことができる。
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